FREECELL vol.42
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FREECELL vol.42

  • 本体価格 ¥907
  • 発売日 2021.12.02
  • コード 62488-89
表紙巻頭特集
永瀬廉『真夜中乙女戦争』
永瀬廉『真夜中乙女戦争』
『おかえりモネ』『真夜中乙女戦争』で見せた俳優・永瀬廉の“役者力”とは、これまでアニメの世界で「二次元だから表現できる」とされて来た繊細な叙情を、違和感なく三次元に落とし込める天賦の才では? 本人インタビュー+以下2000字に及ぶ俳優・永瀬廉論を掲載!

ドラマファンから高い評価を受けた『おかえりモネ』の最終盤、ある意味、百音の恋人の菅波先生よりも目立っていたのが永瀬廉が演じた“りょーちん”こと及川亮。付き合い始めたみーちゃんへ放った「ごめん、どうしても待たせる」。唯一自分の弱さを見せられる百音にすがるように身を寄せた際の囁き「わかってんでしょ?」。気象予報士として気仙沼にUターンし地元に貢献したいと言う百音を最初は認めず突き放すように言う「きれいごとにしか聞こえないわ」。そして最終回、百音が東日本大震災当日、気仙沼で地元のみんなと苦難を共有できなかった負い目からずっと封印していたサックスケースを開き、仲間たちと「アメリカンパトロール」を演奏していた日々の記憶を取り戻すシーンで、百音にかける優しい一言「おかえり、モネ」。と“りょーちん語録”は挙げていけばきりがない。今回のインタビューで本人も語っているように予想以上に出番が増えたそうだが、それはきっと製作陣が永瀬廉の俳優としての稀有な表現力に回を重ねるごとに気づき“最後にタイトル回収するのはりょーちん!で”と信頼してキラーパスを出してくれたからだろう。 さて、ではその永瀬廉のオンリーワンの“俳優力”は何か? 弊誌はそれを、これまでアニメの世界で「二次元だから表現できる」と思われていた繊細な叙情を、違和感なく三次元に落とし込める天賦の才だと考える。それを完全に立証するのが『真夜中乙女戦争』で永瀬廉が演じる主人公の“私”だ。(以降は12/2売りFREECELLに掲載)

以下永瀬廉インタビュー見出しより

――『真夜中乙女戦争』の“私”とりょーちんは実は似ている部分があると思うんですが、永瀬さんはどう思われますか?
「一見違うんですけど、りょーちんと“私”は確かに似てますね。りょーちんは自分では大丈夫だよって言いながら、大丈夫じゃなくて爆発してしまうことがありましたし(笑)。“私”もあまり感情は表に出さないんですけど、その分内側にどんどん溜まっていくものがあるので」

「2022年も今年みたいに忙しくなりたいともちろん思っています! お芝居も来年も絶対やりたいなと思っていますし、 いい意味で今年ぐらいの忙しさがあれば僕はそれで満足かなっていう」

神宮寺勇太 『葵上』『弱法師』鑑賞記
以下神宮寺勇太 『葵上』『弱法師』鑑賞記見出しより

『葵上』では、光が大人になったことを表現するかのように喫煙シーンが織り込まれている。最初にライターでタバコに火をつけるスタイリッシュな光と、康子にタバコを奪われた後の少年っぽい光の困惑が、短時間に入れ替わり立ち替わり現れる。

家庭裁判所のセットの中で展開される『弱法師』で印象的だったのは、ベテランの舞台俳優の圧と立体感のあるセリフ回しを受けた後でも全く聴き劣りしない神宮寺勇太の強くてよく通る声だ。舞台上で俊徳が次々に論破するパートを見て、神宮寺勇太の社会派の現代劇も今後全然アリなのでは?と思った。

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