spoon. 168号
- 本体価格 ¥907
- 発売日 2025.10.28
- コード 05475-12
- 表紙巻頭特集
- 芳根京子×髙橋海人『君の顔では泣けない』表紙巻頭12P撮りおろし対談
- 芳根京子×髙橋海人『君の顔では泣けない』表紙巻頭12P撮りおろし対談
- (以下特集リードより)
男女入れ替わりものは以下の対談で髙橋海人自身が語っているように今や「物語のパンチライン」。2000年代以降、タイムリープ、マルチバースと並んであらゆるコンテンツのブースターになっている。しかし、2021年に刊行された君嶋彼方の『君の顔では泣けない』は高校1年の男子・陸が同級生の女子・まなみと体が入れ替わってしまい、その後15年間、30歳に至るまで入れ替わ戻れない(!)日々が年代記の形式で描かれ、入れ替わったままお互いの人生を拓いて行く。映画版の『君の顔では泣けない』は原作にはない2人が元に戻れるかもしれない1日が設定され、15年の歳月VS元々の自分というマッチメイクが新たに組まれているのが斬新! 映画版ではなんといっても、陸の芳根京子とまなみの髙橋海人の演技が秀逸すぎるので以下では、ネクタイを共通アイテムにしたビジュアルからスタートし、映画でお互いが演じたキャラクターに関して心ゆくまで語ってもらいました!
(以下見出しより)
髙橋「芳根ちゃんは意図していなくても自然に自分の持っているエネルギーが出ている、人間としてのエネルギーが強い方だなって思っていて、それは現場に入っても変わらずでした。自分の内側から出ているエネルギーが本当にいいもの尽くしの人ってなかなかいないなと思っていて、ずっと太陽の光を浴びるような感覚でした」
芳根「髙橋さんが出演されたテレビドラマを拝見していて、すごくいろいろな才能のある方で、お芝居も素敵だなと思っていたので、共演したらどんな化学反応が起きるんだろうと、ワクワクしていましたが、 ご一緒して予想以上に楽しかったです」ーー髙橋さんが出演された『おーい、応為』での善次郎、そして『君の顔では泣けない』でのまなみ、どちらの役にも性別を超えた難しさがあったのではないかなと思いました。
髙橋「そうですね。2人とも性別というより、人間として奥が深いですよね。2人とも現実のいろいろなものを見ながら、自分ができることをしっかり考えて、明るくポジティブな未来をずっと望んでいたんだろうな、と思いました。まなみはたぶん、脳みそをたくさん使う女子だと僕は思っていて、自分の信念を持っている、めちゃめちゃいい人です」髙橋「今作は2つのパートがあって、お互い離れているパートと、元に戻れるかもというタイミングで2人で会っているパートでしたけど、今度共演する機会があったら一つのものに向かって一緒に頑張る役がいいですね。それは会社の同僚でもいいですし、趣味が合うもの同士でもいいですし」
ーーなるほど。同じ漫画部とか良さそうですね。
髙橋「そうですね。部活みたいな感じで、一緒に一つのことに熱心に取り組む、みたいな役でも共演してみたいですね」
芳根「いいですね! 本当に次、またどういう役でお会いできるのか、今からすごく楽しみです」(以下作品解説より)
『君の顔では泣けない』は主に群馬県高崎市をロケ地として撮影された。本文で話題に なっている喫茶店は、入れ替わってしまった10代の陸とまなみが最初に自分たちの身の上に起こった問題について話し合う場所として登場以降、21歳になった2人が就職後の それぞれの生き方について話し合う、30歳になった2人がついに今日元の体に戻れるかも、 という物語の核心部分でも使われる最重要スポット。店主役のふせえりの年齢不詳 ぶりもいい味を出していて、そのレトロな外観も含め映画公開後は聖地化する可能性も……。ちなみに芳根京子は、別な俳優が演じた陸とまなみの10代パートの撮影にも同 行し、彼らから「バトンを受け取る」ことを自分が映っていないところでも意識したという。 - 岸井ゆきの×宮沢氷魚『佐藤さんと佐藤さん』撮りおろし対談12P
- (以下見出しより)
『佐藤さんと佐藤さん』のリアリティある夫婦喧嘩のシーンに関して)
岸井「私がもし夫婦になったときに、こんなふうに相手にぶつかれるのかな? と思いました。私、家族に対しても強い言葉を言ったりとかしないですし、友人にも強く当たることもなかったんです。なので、あそこまで感情を出して相手とぶつかるということに興味はあります」
宮沢「やっぱり自分の言葉には気をつけようと思いました。自分には全くそのつもりがなくても、受け手によって一つの言葉で、すごく傷つく場合もありますし。どんな状況であっても、相手のことをおろそかにしないというか、ちゃんとできる限りの気遣いをするのが大切だなと思いました」(劇中、サチがタモツより先に司法試験に受かったように、自分が後で始めたのに先に始めた人を追い越した経験は?)
岸井「追い越したことはないですけど、追い越されたことはあります。器械体操をずっとやってたんですけど、器械体操って最初は体がちっちゃい方が有利でくるくる回るんです。跳び箱も軽いからピョンピョン跳べちゃうんですけど、長くやっていると、身長の高い子たちも技術を身につけてきてどんどん負けていくんです。小学校低学年の頃はバク転ができるのは最初私1人だったのに、技術と筋力をつけた子たちもどんどんできるようになるんです。私はそれを経験して器械体操を続けようと思えなくなっちゃったんです」宮沢「『佐藤さんと佐藤さん』は日常に近いからこそ共感できる人も多い映画だと思います。真面目に怒っていれば怒っているほど、それがだんだんダサく見えてきて、ちょっと笑えたりとか。この映画を体験して、今までの映画の怒り方は、型が決まりすぎちゃってるような気がしました。それほど、独創的な怒り方が出て来る映画です(笑)。タモツは特に一生懸命怒ってるんだけど、どこかかっこ悪くて。でも、かっこ悪いがゆえに、ある時かっこよく見えたりもして。人の感情の裏と表が見える、怒り方のリアリティが、見どころの映画だと思います」






